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フィッシャー32

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この度、横浜マリーナ会員の斎藤智さんが本誌「セーラーズブルー」にてヨットを題材にした小説を連載することとなりました。

クルージング教室物語

第102回

斎藤智

今回の横浜マリーナのイベントには、珍しいヨットが参加していた。

横浜マリーナには、全部で100艇以上のヨット、ボートが係留、保管されている。マリーナとしては、かなりのヨット、ボートが在るマリーナだ。

これだけのヨット、ボートが保管されているのだが、その保管されているヨット、ボートのうち、実際にいつも出航しているヨット、ボートの数となると、あまり無い。

殆どのヨット、ボートは、マリーナ内に保管されているだけで、出航しているところなど、めったに見たことが無いのが実情だ。

せっかく頑張って、自分のヨット、ボートを持てたというのに、もったいないことだが、仕事が忙しいとか所有者それぞれにも理由があるのだろう。

「あれ、フィッシャーのヨットじゃない」

隆は、三崎港内を皆と散歩していて、停泊していたヨットに気づいた。

そのヨットは、イギリス製のモーターセーラーで、横浜マリーナの艇庫に保管されているヨットだった。

「隆って、こういう形したヨットが好きだね」

麻美が答えた。

隆は、横浜マリーナに保管されているときも、いつも横を通るたびに、その姿に気になっていたヨットだった。

気になっていたのだったが、いつ横浜マリーナに行っても、オーナーが誰も来ていなくて、乗せてもらうことも、船内を見学させてもらうこともできなかったのだった。

「スタイルがカッコいいだろう」

「そうね、なんか窓枠が逆台形の形をしていて、漁船みたいよね。私は、ラッコのほうが好きだな」

麻美は言った。

麻美は、けっこうラッコ、ナウティキャット33の艇を気に入っている、もしかしたら隆以上に気に入っているかもしれなかった。

「さあ、買い物に行こう」

麻美は、まだ、その場に残って、オーナーに挨拶をして、船内を見学させてもらいたそうな隆を誘って、港内のショッピングスクエアに向かった。

「トロまん、食べよう」

ヨットの艇種よりも、食い気のルリ子がショッピングスクエアの中に入ると言った。

皆は、トロまんを作っているお店の前の椅子に腰かけると、買ったばかりのトロまんをつまんでいた。

「美味しい!」

さっきまで、フィッシャーのヨットが気になっていた隆も、トロまんの味にすっかりヨットのことは、忘れて、トロまんにかぶりついているのだった。

三崎のレストラン

麻美は、ラッコのキャビンの入り口を閉めて、出かける準備をした。

これから、ラッコの皆は、港のすぐ目の前にあるまぐろ料理専門のレストランに向かうのだった。

せっかく、まぐろが名物の三崎にクルージングに来たのだから、まぐろを夕食に食べれるのが、今回のクルージングの楽しみのひとつだった。

これから、隆たち一行が行くレストランで横浜マリーナのパーティーが催されるのだった。

横浜マリーナでレストランの2階を貸し切っていて、今回のクルージングイベントに参加した横浜マリーナのヨット、ボートの人たちだけが、このパーティーを楽しめるのだった。

しかもレストランの費用のうち、半分は横浜マリーナで経費として負担してもらえるのだ。

11月の寒い時期に、ヨット、ボートを出して横浜から三崎まで頑張ってクルージング、セイリングをしてきたクルーたちへのご褒美のようなものだった。

「こんにちは」

レストランの入り口で会った横浜マリーナのスタッフに、麻美は、挨拶した。

今朝、横浜マリーナを出航してくるときに、ラッコの艇体を、艇庫からクレーンで下ろしてくれたスタッフだった。

そのスタッフに、レストランの入り口で受付を済まして店内に入る。

マリーナスタッフたちのうち、レストランパーティーの運営を担当するスタッフたちは、朝、会員のヨット、ボートをクレーンで下ろした後に、車で三崎に移動して、パーティーの準備をしてくれていたのだった。

「大変ね、お疲れ様」

麻美は、スタッフたちに一言、声をかけてから2階に上がった。

2階は、横浜マリーナのためにテーブルが並べられていて、テーブルの上には、美味しそうな料理がたくさん並んでいた。

パーティの準備は、すっかり整えられていて、黒服のレストランのウェイターさんたちが、皆のところに周って、グラスにワインをついでくれていた。

「美味しそう!」

「肝心のまぐろがないじゃん」

ルリ子と隆は、テーブルの上の料理をチェックしながら、話している。

「まぐろは、きっとパーティーが始まってから、運ばれてくるのよ」

麻美が、隆に言った。

ラッコのクルーたちは、空いている席を見つけて、そこに腰かけた。

「まだ、始まらないな」

パーティーが始まるまでに、まだ少し時間があるみたいで、まるでお預けされている犬のように、皆はテーブルの料理を前に、パーティーの始まるのを待っていた。

斎藤智さんの小説「クルージング教室物語」はいかがでしたか。

横浜マリーナでは、斎藤智さんの小説に出てくるような「大人のためのクルージングヨット教室」を開催しています。

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