Skip to content

今夜はおやすみ

1本を読もう

2本を読もう

3本を読もう

4本を読もう

5本を読もう

6本を読もう

7本を読もう

8本を読もう

9本を読もう

10本を読もう

11本を読もう

12本を読もう

13本を読もう

14本を読もう

15本を読もう

16本を読もう

17本を読もう

18本を読もう

19本を読もう

20本を読もう

21本を読もう

22本を読もう

23本を読もう

24本を読もう

25本を読もう

26本を読もう

27本を読もう

28本を読もう

29本を読もう

30本を読もう

この度、横浜マリーナ会員の斎藤智さんが本誌「セーラーズブルー」にてヨットを題材にした小説を連載することとなりました。

クルージング教室物語

第210回

斎藤智

「それで、予定を変更しようかなと、思うのですが」

マリオネットで隆は、オーナーの中野さんに話していた。

「今夜は、実は俺と麻美、会社の仕事で夜遅くまで残業していて、ついさっき横浜マリーナに着いたばかりなんですよ。で、なんかさすがに疲れてきちゃって」

隆は、言った。

「今夜はキャビンの中でゆっくり寝たいなと。で、明日の朝、早くに起きて、三崎口辺りまで行って一泊して戻ってこようかなと」

「ああ、それもいいですね。うちも3人しかいなかったし、夜じゅう走らせるより、そっちのほうが有り難いかもしれないですね」

中野さんは、隆に言った。

「急な予定変更ですみません」

隆は、中野さんに謝った。

「いやいや、こちらこそ」

中野さんも隆に謝っている。

「それじゃ、明日の朝早くに出航ってことで、今夜はもう寝ますか」

中野さんが言った。

「そうですね。明日の朝は、早いですしね」

そういうと、中野さんたちにおやすみなさいをして、ラッコに戻ってきた。

「さすがに、三人じゃ危ないからやめてくださいとは、言えなかったよ」

隆は、戻ってくるとき、洋子に言った。

「ううん。ばっちし!隆さんらしい優しさだった」

洋子は、手でOKって形をして、隆のことをほめた。

「大島、行かないよ」

隆は、ラッコのキャビンに戻って来て、麻美に報告した。

「大島行かない、マリオネットも、ラッコも」

「ラッコも?」

麻美が聞き返した。

「その代わり、明日の朝早起きして、二艇で三崎まで行って、そこで一泊して戻ってくる」

隆は、計画の変更を告げた。

「今夜は、キャビンでぐっすり寝よう」

「うわ、嬉しい。実は、私も今日は仕事疲れちゃって、眠かったんだ」

麻美は、嬉しそうに答えた。

「じゃ、そういうことで今夜はおやすみなさい」

隆が言った。

皆は、それぞれ自分の寝る場所のベッドメイキングをはじめた。

雪は、一番前のフォクスル、

洋子と香織、ルリ子は、ダイニングのテーブルを下ろしてベッドに、

佳代と麻美、隆は、船尾のオーナーズルームで寝床についた。

「ほら、見て」

麻美は、自分の持ってきたカーテンをルリ子たちに見せた。

「このカーテンを、ここにかけて、ほら、これでカーテンを閉めたら落ち着いて寝れるでしょう。そう思わない?」

麻美がダイニングとダイニング前のキッチンとの間に、カーテンで仕切りを作った。

「うわ、落ち着く!」

香織ちゃんが言った。

「もしかして、このカーテンって麻美ちゃんお手製?」

「うん。ユザワヤでちょうどいい生地が売ってたから」

麻美は、ルリ子に聞かれて答えた。

「それじゃ、おやすみなさい」

麻美は、カーテンの外から、中にいる3人に声をかけた。

凪の海

「おはよう!」

朝、みなは目覚めて、デッキで出航の準備をしていた。

「朝ごはん、どうする?」

麻美が聞いた。

「出航してからでいいんじゃないの」

まだ、朝の5時で、早朝だった。

ラッコとマリオネットは、横浜マリーナのポンツーンを離れて、出航した。

風も無く、海は穏やかな日だった。

沖に出ると、そこでメインセイルだけを上げて機帆走で走る。

マリオネットはスループ艇だが、ラッコはケッチなので、後ろのミズンセイルも上げた。

「波も無いし、気持ちいい走り」

「こういうセイリングが快適だね」

皆は、デッキにのんびり寝転がって、くつろいでいた。

佳代だけは、ラット、ステアリングを握っているので、忙しかった。

「途中で、代わるね」

洋子が佳代に言った。

「うん。でも、まだまだ大丈夫」

佳代は返事した。

前のデッキで寝転がっていた麻美とルリ子は、気持ちのよさに思わず眠ってしまっていた。

まだ、朝の早い時間で、朝寝坊ができそうだ。

しばらくして、お腹の空き具合もちょうどよくなった頃に、トーストや目玉焼きを焼いて、デッキで朝ごはんになった。

ビーチパラソルを開いて、日陰をつくって、そこの下での食事となった。

「なんだか別荘で朝食しているみたい」

ラッコのデッキは、全面にチークが敷かれていて、別荘のウッドデッキのようになっている。

陽の光がキラキラ反射して、まるで軽井沢かどこかの草原の別荘で朝食を食べているようだ。

「こういうセイリングだと気持ち良いよな」

皆は、ヨットの上で満足そうに過ごしていた。

隣りを走っているマリオネットの方を見ると、マリオネットの乗員三人も、デッキの上でのんびりとしていた。

きょうは本当に穏やかな海だった。

二艇のヨットは、穏やかな海面をゆっくりと機帆走で滑っていた。

斎藤智さんの小説「クルージング教室物語」はいかがでしたか。

横浜マリーナでは、斎藤智さんの小説に出てくるような「大人のためのクルージングヨット教室」を開催しています。

Comments

Comments are closed.

こちらのページもよくご覧になられています

 

Widgets

Scroll to top