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波浮温泉

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この度、横浜マリーナ会員の斎藤智さんが本誌「セーラーズブルー」にてヨットを題材にした小説を連載することとなりました。

クルージング教室物語

第61回

斎藤智

隆たちラッコのメンバーがヨットに戻ると、マリオネットのメンバーと出会った。

隆たちが、ちょうど買い物から戻って来たときに、マリオネットのメンバーたちは、出かけるところだったみたいで、バスタオルを肩からかけて、洗面器やシャンプーを片手に、ヨットから降りてきた。

「お風呂ですか?」

「ええ、ちょっと行ってきます」

隆が、中野さんに聞くと、中野さんは答えた。

「俺らも、先にお風呂に行こうか」

ラッコのメンバーたちも、買ってきた荷物を、船内に置くと、バスタオルやシャンプー、着替えなどを準備して、お風呂に出かけることになった。

波浮のお風呂は、港の前の細い山道を登っていったところにある。

そこの山の上には、郵便局、かんぽの宿があるのだ。

白いきれいな立派な建物で、その施設の中にある入浴施設は、泊まり客でなくても、入浴のみの利用ができるのだった。

ボートやヨットの人たちは、泊まる場所は、自分たちの船のキャビンがあるので、よく、この施設のお風呂だけを利用している人が多かった。

海で汗をかいてから、山を少し登るこの距離が、運動の後のお風呂としてはちょうどいい場所にあるのだった。

「じゃね。また、後でね」

麻美や佳代たちラッコの女性クルーは、隆に手を振って、女性用の風呂のほうに入って行った。隆も、手を振り返しながら、男性用の風呂に入った。

「ね。今夜の食事なんだけど、ここで食べていこうってことになったんだけど。いいかな?」

お風呂から出てきた隆に、先に出てきていた麻美が聞いた。

お風呂と同じフロアに、レストランが付いている。そこのレストランで食べようって話になったらしい。

「いいよ、別に。ここのレストランの食事はけっこう美味しいよ」

隆は、麻美に答えた。

「夕食は、今はちょっと混んでいるから、私たちは7時からなんだって」

麻美に言われて、隆やほかのメンバーは、7時の食事まで、レストランの前の待合室で待つことになった。

※波浮の「かんぽの宿」は現在ありません。

海鮮料理

レストランの前には、ピンポン台が2個置いてあった。

そのピンポン台で、ピンポンをしていた男の子たちの食事の番がきて、ピンポンをやめて、レストランに入っていった。

ピンポン台が空いたので、麻美と雪は、そこに行って、ピンポンを始めた。見た目は、おとなしそうな女の子だが、運動好きで活発な洋子も、隆とのおしゃべりをやめて、麻美たちのピンポンに加わった。

運動は、それほど得意でもないが、陽気でお祭り騒ぎが好きなルリ子は、皆がやっているピンポンの周りで応援にはしゃいでいた。

「ちょっと上の階に行ってみようか」

隆は、一人残っていた佳代を誘って、上の階をぶらぶらしに行った。

階段を上がってエントランスロビー脇のお土産物売り場に入ってみた。明日葉や大島牧場産のクッキーなど大島名物が売られていた。

「明日葉ってなあに」

「明日葉っていうのは、大島の名物の野菜だよ。すごく生命力の強い葉っぱで、今日収穫しても、明日にはもう新しい葉っぱが出てくるから、明日葉っていうんだよ」

二人は、しばらくお土産屋さんに並んだお土産をチェックした後、何も買わずにお店を出た。

「アイスクリームを食べようか」

「うん」

お店の端のほうにソフトクリームを売っているところがあった。

隆と佳代は、そこに行くと、ソフトクリームを2個買った。二人は、そのソフトクリームをなめながら、下の階に戻った。

「あら、美味しそうなもの食べているじゃん」

「食べるか?」

隆は、うらやましそうにしていたルリ子に、自分の分のソフトクリームを差し出すと、ルリ子は少しなめさせてもらっていた。

「あ、どうして、これから食事だというのに、そんなもの食べているの」

麻美は、ソフトクリームをなめている隆に注意した。

注意していた麻美だったが、佳代から、自分の分のソフトクリームを差し出されると、それをちゃっかりなめさせてもらっていた。

「ラッコさん!」

レストランの方から、店員さんの呼ぶ声がした。

ラッコのメンバーたちの食事の順番が周ってきたようだった。

「え、ラッコさん?」

隆は、レストランの店員にラッコと呼ばれたことに、不思議そうにしていた。

「へへ、面倒だから、ラッコって名前で予約しちゃった」

麻美は、隆に答えた。

皆は、レストランに入ると、ウェイトレスさんに案内されて、席についた。隆は、まだ食べ切っていないソフトクリームを手に持っていた。

「ルリちゃん、残りを食べてあげて」

麻美に言われて、若いルリ子は、隆の残っている分のソフトクリームをぺロリと平らげていた。

「お刺身!」

美味しそうな刺身中心の海鮮料理が運ばれてきた。ラッコの皆は、かんぽの宿の豪華な食事をお腹いっぱいになるまで食べ尽くしたのだった。

斎藤智さんの小説「クルージング教室物語」はいかがでしたか。

横浜マリーナでは、斎藤智さんの小説に出てくるような「大人のためのクルージングヨット教室」を開催しています。

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