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横浜ベイブリッジ

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この度、横浜マリーナ会員の斎藤智さんが本誌「セーラーズブルー」にてヨットを題材にした小説を連載することとなりました。

クルージング教室物語

第66回

斎藤智

ヨットは、横浜ベイブリッジに近づいていた。

これから、ベイブリッジの下をくぐって横浜港内で打ち上げられる花火を見に行くのだ。

海から眺めるベイブリッジは、普段、車でベイブリッジを渡るときや陸上から眺めているベイブリッジの姿とは、全く違った姿をしている。

ベイブリッジの下をくぐるために、下から見上げる形になるので、いつもよりすごく大きな橋に見えてくる。その大きさにまず圧倒される。

「なんかデカい!」

デッキから、近づいてくるベイブリッジの姿を見ていたルリ子は、思わず叫んでしまった。

「大きいね!」

「普段、海からなんて眺めたことないから、感動する」

麻美に誘われて、今日はじめてヨットに、ゲストで乗っている女性たちにいたっては、ルリ子以上に海からのベイブリッジの姿に感動していた。デジカメや携帯電話をずっとベイブリッジに向けて撮影し続けていた。

「この船のマストがけっこう高いから、ベイブリッジの下をうまくくぐれるかどうか心配なんだよね」

隆は、ゲストの女性たちに向かってつぶやいた。

「そうですよね。ヨットは、マストが立っているから心配ですよね」

「ベイブリッジの下ってくぐれるんですか?」

隆に言われて、ゲストの女性たちは、心配そうに隆に聞いた。

「わからない。いつもぎりぎりなんだよ。満ち潮によってはくぐれないときもあるから、とりあえずくぐれるかどうかチャレンジしてみて、駄目なときは、あきらめてUターンするしかないんだ」

隆は、ゲスト女性たちに深刻な表情で、答えてみせた。

「そうなんですか」

「くぐれなかったときって、どうなるんですか?ベイブリッジにマストがぶつかってしまったりするんですか?」

「そうなんだよね。ヨットのマストがぶつかることが多いから、ベイブリッジの下側ってけっこう傷がついているんだよね…」

隆が言ったのを聞いて、ゲストの女性たちは心配になっていた。

「また言っている!やめなさいよ、そういうこと言うの」

麻美が苦笑しながら、隆に注意した。

「大丈夫よ。ベイブリッジってすごく高いから、ヨットのマストがぶつかったりなんて絶対にしないから」

麻美が、友達たちに答えた。

隆は、いつもベイブリッジをくぐるときに、初めてヨットに乗るゲストがいたりすると、必ずそのゲストに向かってベイブリッジにマストがぶつかると言って、驚かしているのだった。

皆は、ホッとして笑顔になっていた。

観戦注意報

横浜港で花火見物をするときは、細心の注意が必要だ。

ラッコとマリオネットは、ベイブリッジをくぐって、横浜港内に入った。

横浜港内は、花火見物をしに来た船で大混雑していた。

隆たちのように、ヨットで見に来ている人たちもいたが、一番多いのは、ボートで見に来ている人たちだった。ほかにも、屋形船や観光船もたくさん来ていた。

「屋形船から見る花火も風流でいいな」

ルリ子が言った。

「確かに。でも屋形船は天井がついているから、真上に上がる花火は見えにくいんだよ」

「そうだよね、窓から見るしかないよね」

ラッコの船体が揺れた。

港内のあっちこっちをボートや観光船が走り回っているので、その引き波の影響で、船底が丸いヨットは、ぐらぐら揺れてしまっていた。

「いつでも、アンカーを落とす準備は、できているよ」

麻美がコクピットの隆に向かって言った。

麻美と佳代は、パイロットハウスで、アンカーのスイッチを、いつでも押せるように用意していた。

隆は、どこか花火観戦するのに、最適な場所がないか探しまわっていた。

「いい場所がないな」

静かな海面を見つけて、ここなら良いかなとラッコが停泊していると、突然すぐ側に停泊していたボートがエンジンをかけて走り出して、その度に、安定性の悪いヨットのラッコは、ぐらぐら揺られてしまっていた。

「麻美!アンカーを打つのはやめよう」

隆は、パイロットハウスの麻美と佳代に向かって叫んだ。

この混みあっている海面で、アンカーを打って、完全に停泊してしまうと、突然に動き出したボートとかが近寄って来たときに、避けられなくなってしまうのだ。停泊ができないので、ボートにぶつからないように、港内をあっちこっちフラフラしながらの花火観戦になった。

「隆、落ち着いて花火が見れなくなってしまうね」

麻美が、船内から料理を持ってきながら、言った。

「仕方ないよ。港が混んでいるんだから。皆は気にせずに花火を見てていいから」

隆は、麻美に答えた。

麻美の後から、ルリ子と佳代がテーブルを持って、コクピットに出てきた。そのテーブルをコクピットに広げると、麻美が、その上に持って来た料理を並べた。

コクピットでは、花火を眺めながらの宴会となった。

隆も、ビールを片手に、もう一方の手では舵を握りながら、宴会に参加していた。

斎藤智さんの小説「クルージング教室物語」はいかがでしたか。

横浜マリーナでは、斎藤智さんの小説に出てくるような「大人のためのクルージングヨット教室」を開催しています。

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